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「人生はブラックコーヒー。」手作りおむすびでホームレス支援を行う濱野怜・CoE代表の想い

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こちらの記事はRR COFFEEが運営するウェブメディア「珈琲天国」の記事を配信しております。オリジナル原稿を読みたい方はこちらをご覧ください。

珈琲の香りでよみがえる淡い記憶。何気なく仕事の合間に飲むときも、喫茶店でくつろぎながら飲むときも、あの人にとっては特別な瞬間だったのかも。

今回は、毎週木曜日の夜、川崎駅東口周辺でホームレスの方々に手作りおむすびを配って回る大学生・濱野怜さんにお話を伺いました。

大手テレビ局や新聞社を始め、かわさきFMの人気ラジオ番組「コスギスイッチON!」でも特集された濱野さんの活動に迫ります。

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2001年、川崎市幸区生まれ。大学院在学。温かく・楽しく・カッコよくをモットーにホームレス支援を行う団体「CoE」代表。選挙ボランティアをきっかけに川崎のホームレスの現状に関心を持つ。2021年10月から、毎週木曜日の夜、リアカーに炊飯器を乗せて川崎駅周辺で炊き出しを行う。
目次

珈琲は絶対にブラック。

――(編集部)珈琲はお好きですか?

濱野:最近は浅煎りの珈琲にハマってます。味が結構分かりやすいっていうか。個性があって面白いですね。最近は、川崎区の貝塚にある珈琲屋さんが凄く美味しくて通っています。オシャレで店主のこだわりが感じられる雰囲気も好きです。

――(編集部)濱野さんが参加している炊き出しにも、珈琲屋さんが出店してるとか?

濱野:そうなんです。毎月、多摩川沿いで炊き出しをやってるんですけど、そこでは横浜の戸塚にある珈琲屋さんがいつも来てくれているんです。ハンディキャップのある子たちが豆を選別した珈琲屋さん。そこの人が淹れたての珈琲をおじさんたち(※ホームレスの方々)に振る舞ってて。

――(編集部)炊き出しで温かい珈琲が飲めるのは素敵ですね。

濱野:おじさんたちもすごい喜んでいました。何回もおかわりするくらい。

「地域の方とホームレスの方々を繋げたい」イメージ変えるSNS

濱野:この活動の原点は、目の前でホームレスの女性が倒れたのに、自分は何も出来なかったこと。ここで逃げて胸張って生きれるのかなとか、色々考えた中で、やっぱり自分がとるべき道はこの問題に向き合うことだろうと考えて活動を始めたんです。

最初は何もホームレス支援のノウハウがなくて、とりあえず最初に出会ったホームレスのおばあちゃんにコンビニのおにぎりやカイロを渡してました。ただ、そのおばあちゃんを助けたいと考えてるうちに、今のままでは対処療法的で解決に繋がらないと思うようになったんです。当時は、本当に何もわからなかったので、大学のボランティアセンターに相談に行きました。それで、たまたま地域の繋がりができて色んな人に助けていただいて。

――(編集部)大学のボランティアセンターから、どうやって地域の繋がりが広がっていったんですか?

濱野:彼ら彼女らの社会復帰に繋げたいという所から、炊き出しをやろうという話になりました。そこで、ただ食べ物を渡すだけでなく、普段ホームレスの方々がいる駅のゴミ拾いをしてから炊き出しをしようと考えたんです。その流れで川崎駅前のゴミ拾いチームを紹介してもらいました。そこからは、地域コミュニティを運営している方や珈琲屋さん、NPOの方々など、ゴミ拾いで出会った人を通して数珠つなぎで色々な繋がりができていきました。

――(編集部)繋がりを手繰り寄せる力が凄いですね。ただのラッキーじゃなくて、この問題に取り組みたいっていうエネルギーがあったから皆さん協力してくれたんですね。

濱野:地域の一般の方々とホームレスの方々を繋げたい、一般の人たちにも理解を深めて欲しいという想いがありました。

結局、ホームレスの方々が社会復帰する為には、一回リスタートするしかないんです。でも、そのリスタートの環境として、おじさんたちは夜に物投げられたり蹴られたり殴られたりっていう中で、この街でやり直したいとはみんな思わないですよね。自己肯定感とか尊厳もなくなって、這い上がることが難しいくらい沈んじゃうんじゃないかなって。

多分、みんなホームレスの実態を知らないし身近じゃないんですよね。そういうこともあって、ちょっと人柄とか顔とか表情とか見れば、少しはイメージがポジティブになるだろうと思ってSNSにも力を入れてます。

CoE_Rei/濱野 怜 ホームレスの友達大学生(@rei.hamano2000) • Instagram写真と動画

――(編集部)濱野さんのInstagramを見ると、なんか普通に楽しそうだな、カッコいいなと思います。その活動を見て、おじさんたちはどんな反応ですか?

濱野:ノリノリで「昭和の芸人さんのこういうポーズ一緒に撮ろうよ」とか自分から言ってくれますし、話したら面白いんですよね。意外と喫煙所とかでサラリーマンの人と普通に喋ってる姿も見るので、全然皆さんが思ってるよりも温かくて優しいんです。

最近は、大手YouTuberにホームレス問題を取り上げて頂いたこともあって、ネガティブなイメージから、「助けないと」みたいな支援の流れができ始めているのを感じます。

ボランティアとしてホームレス支援に参加してくれている大学生

「温かいものにこだわる」食事の温かさから人の温かさへ

――(編集部)普段はどの様な支援活動を行ってますか?

濱野:毎週木曜日、19時半ごろから川崎駅周辺で炊き出しを行っています。リアカーに機材を乗せて、各拠点をまわる感じです。他の団体だと、普通のおにぎりや乾パンを配っている所が多いですが、僕らは温かいものを提供することにこだわっています。おむすびもその場で握ってるんです。

――(編集部)炊飯器を持って行って、その場で手作りおむすびを作る発想は面白いですね。

濱野:炊き出しも、期限切れの食品やレベルの低いものを出すっていうのはしたくないんです。美味しくて見栄えも良かったりするからこそ、おじさんたちはちょっと遠い所からもわざわざ僕らが夜回りしてる場所に足を込んでくれる。

色んなおじさんたちが僕たちの情報を嗅ぎつけてきてくれるから、そこでまた繋がれて僕らの守備範囲も広がってくる。僕らの夜回りで偶然出会えた方の中で、何とかそこから仕事やアパート見つけて自立できた人もいます。

――(編集部)温かいものを提供する意義は、そういう所にもあるんですね。濱野さんの活動を見ていると、1人ひとりに話しかけてコミュニケーションをとっているのが印象的でした。

濱野:おじさんたちは基本的に孤独なんです。人付き合いとかがあんまり苦手な人とか、精神的な障がいを抱えたような方も多い。だからこそ、1人ひとりの話を聞くことを心がけています。そうすると、夜回りに集まってくるおじさん同士でも会話が生まれて、自然と仲良くなってくる。やっぱり、その場に集まって人と話すことが大切だと思うんです。「なんかもっと会いたい」とか「いま一緒にご飯に行きたい」とか思える人が増えていかないと。おじさんの中には「もうこのまま早く死にたい」って思ってる人も多いんで。繋がりが作れる場所っていうのが本当に大事ですね。

社会復帰の支援の際にも、行政や知らない団体から与えられたものに乗っかるのか、僕らが信頼関係を築いて、一緒に考えながら共に道を作っていくかでは全然違うと思うんです。

「苦い現実としっかり向き合って、その中に美味しさを見出していく」

――(編集部)この食材や、他のお惣菜はどうやって調達しているんですか?

濱野:大学のボランティア活動への助成金もありましたが、いまは自費で用意しています。ただ、こうした活動を続けていると寄付をくださる方やお米を送ってくださる方、夜回りの日にお惣菜を作って持ってきてくださる方もいますね。本当にありがたいです。

――(編集部)支援の輪も広がっているんですね。

濱野:最初は一人でまわっていましたが、大学生から参加したいとSNSで連絡が来ることも増えています。今後は、困ったことや街の課題があったら、地域の人たちが繋がって色々支援してくれるみたいな、そういう仕組みの様なものが作れたら良いなと思ってます。

濱野:でも、こういう活動をしていると思うんですが人生って結構ブラックコーヒーですよね。

――(編集部)深いですね…!詳しく教えてください。

濱野:もちろん頑張って成功してる人も沢山いますけど、ホームレスの方々やハンデのある方々、恵まれない環境とか世の中には困難なことって色々あって。社会全体で苦い状況っていうか、悲しい現実が目の前にあるわけなんです。でも、みんなその困難を何とか乗り越えていこうと一歩ずつ頑張ってる。ブラックコーヒーも、その苦い現実としっかり向き合って、その中に美味しさを見出していくみたいな。苦いんだけど、その中からいかに美味しさとか味わいを見出していくか。この過程っていうか作業が、結構人生なのかなっていうか。

――(編集部)まさにその通りですね。今日の取材の為に考えてきてくれたんですか。笑

濱野:いえいえ、行きつけのお店なんかでもマスターに言ってます。マスターからは「勝手になんか言ってるな」と思われてるかもしれませんが。笑

僕はそういう想い入れを持って、珈琲は絶対ブラック!と思って飲んでます。

――(編集部)そんなこと言う大学生はなかなか見ないですよね。面白い。濱野さんのこれからがますます楽しみです!

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