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「関与すると寛容になれる。」岡本克彦・こすぎの大学発起人の想い

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こちらの記事はRR COFFEEが運営するウェブメディア「珈琲天国」の記事を配信しております。オリジナル原稿を読みたい方はこちらをご覧ください。

珈琲の香りでよみがえる淡い記憶。何気なく仕事の合間に飲むときも、喫茶店でくつろぎながら飲むときも、あの人にとっては特別な瞬間だったのかも。

今回は、武蔵小杉のソーシャル系大学・こすぎの大学を運営するなど、地域デザインやブランド戦略に取り組む岡本克彦さんにお話を伺いました。

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1995年東京都立科学技術大学卒業後、NECホームエレクトロニクスに入社。
2000年にNECに移籍し、携帯電話やスマートフォンの商品企画・マーケティングを担当。
2013年よりコーポレートブランドの戦略を担当し、社会価値創造型企業への変革に向けたリブランディング、NEC未来創造会議を通じた長期ビジョンの策定に関与する。
2022年よりリブランディングや長期ビジョン立案などの経験を活かして株式会社バイウィルを中心にサステナビリティカタリストとして活動中。
社外では企業間フューチャーセンターでの越境・共創活動の経験を活かし、2013年より地域デザインの活動として神奈川県川崎市で「こすぎの大学」や「川崎モラル」を企画運営。
目次

独特なカフェの楽しみ方

――(編集部)早速ですが、まず皆さんに珈琲にまつわるお話をお伺いしているのですが、何か思い出などありますか?

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岡本:思い出かあ。珈琲は仕事を始める前、ひと呼吸置く時に飲んでいますね。実は今回、取材を受けるにあたり去年の7月から昨日までの1年間で、どれだけカフェに行ったのかをグラフ化してみました。その結果、勤務前に280回くらい行っていることが分かり、結構楽しかったです。

――(編集部)独特な楽しみ方ですね?!

岡本:フリーランスだとカフェ代も経費になるので、毎回レシートを取っていたんです。笑 私は元々、NECという会社に勤めていたのですが、去年の6月末にNECを中退してフリーランスになりました。ここ※の1階にカフェチェーン店が入っているのですが、コワーキングスペースのオープンが9時なので、開始時間まではそのカフェで仕事をしているんです。

※溝の口にあるコワーキングスペースTech-Potにて取材実施

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――(編集部)何か、カフェや珈琲にこだわりはありますか?

岡本:こだわりは特にないのですが、僕めっちゃ子ども舌なんです。小さい頃はカフェオレばっかりでした。それもミルクをたっぷりで。ブラックを飲めるようになったのは、おそらくここ5年くらいです。新丸子にあるSHIBACOFFEEに行ったことをきっかけに、ブラックを飲むのが楽しみになりました。あとは、家に帰ってから妻が入れてくれた時だけですね。

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Tech-Potのカフェコーナーには自分で珈琲をドリップできるスペースも

モノ・コト・気持ちの繋がり

――(編集部)様々な取り組みをされている岡本さんですが、意外と波乱万丈なキャリアだとか?

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岡本:僕、いま50歳なんですよ。ちょうどハーフセンチュリー。ずっとNECグループに勤務していて、最初はワープロの商品企画をしていました。しかし、ちょうど同じタイミングで「Windows95」が発売されたんです。すると、一気にワープロが世の中からなくなり、僕が入社したグループ会社も無くなっちゃったんですよ。

会社が無くなってしまいどうしようと思っていたところ、NECの中でちょうど携帯電話、ガラケーを作るところに異動できることになって。そこから、2012年ぐらいまでガラケーの商品企画をやらせてもらいました。そうしたら、その後にスマホが出てきて、また会社が無くなったんです。結果、担当していた商品とともに、僕が働いていた会社は2回も無くなりました

――(編集部)勤めていた会社が2回も無くなるのは大変ですね・・・。

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岡本:僕がそこで学んだのは、人と一緒で商品にも寿命があるということです。ただ、ワープロやガラケーは無くなったけど、パソコンやスマホが残っていることを考えると、モノは変われど、コト(体験)は残るんだって実感しました。そして、コトの前には気持ちがあると思ったんです。珈琲を飲むときも、心の中でリラックスしたいとか、リフレッシュしたいとか、リセットしたいとか・・・、まず気持ちが先にある。その次に、珈琲を飲む体験(コト)があって、実際に珈琲(モノ)がある。この繋がりが大切なんだと、2回会社が無くなった経験から実感しました。その後は、会社全体のリブランディングなどに取り組み、現在に至ります。

地域に根差すきっかけ

――(編集部)岡本さんが武蔵小杉で主催されている「こすぎの大学」も会社での経験から企画されはじめたんですか?

岡本:そうですね。どうもガラケーが世の中から消えていきそうだとなっていた時に、やっぱり自分たちが変わっていかなければならないということになって。発足時は、これからNECとしてどうしようか考えるための会だったんです。その時に、やっぱり自分たちだけでは難しいので、社外の人と一緒に問題解決に取り組んでいこうと考えました。あとは、社内でも部門を越えて協力する場を作り始めたんですよ。

こすぎの大学について

岡本さんたち、企画編集ユニット6355の5名が立ち上げたソーシャル系大学。大人から子どもまで、武蔵小杉に住まわれている方、勤められている方、地元が大好きな方たちが集まる、自由で広く楽しく学んでつながる“学び舎”。

――(編集部)いま武蔵小杉で地域の方々が参加している「こすぎの大学」は、地元企業の課題から始まったんですね。

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岡本:2011年からかな、会社の中でこれからの新しいコミュニケーションを考えるという場で、ムサコ大学というものを作りました。それから月1回、NECのガラケーに関わる業務メンバーが集まって、自分はこんな思いで仕事をやっているだとか、自分はこんなことをやりたいんだっていうのを語ってもらいました。それを他のメンバーが聞いて、自分はどう思うかとか、その人をどう応援したいかとか、仕事にどう活かしていきたいといったことを語り合う、ダイアログの場を作っていったんです。それが始まりでした。

――(編集部)会社の1つのコミュニケーションの場から、どうやって地域に根差すコミュニティにしていったんですか?

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岡本:きっかけは2つありました。1つは社内である程度やり尽くしたから外に出ていこうという理由。もう1つは、僕自身の問題。僕、家も会社も武蔵小杉なんですよ。普段、会社では色んな人を繋いでいるのに、自分の住む街に出てみたら友達がいない。そもそも、それ以前に知り合いすらいない、ということに気づいてすごく寂しい気持ちになったんです。そこで、自分の住む街のことをもっと知りたいと思い、ムサコ大学が地域に出ていく良いキッカケだと考えました。そこから、街との接点を探し始めたという感じです。

関与すると寛容になれる

――(編集部)今、一番思い入れのある活動は何ですか?

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岡本:色んな方から「こすぎの大学をどうしていきたいですか」って聞かれることが多いんです。でも、別に楽しく続けられれば良いなと思っていたので、「何かこれがやりたい」というものはあんまり無いんです。ただ、ここ1、2年で言語化できたのが一つあって。

それは、プロセスに関与していくということです。今日みたいに、こういう場でインタビューを受けさせてもらうと、RR COFFEEの皆さんのファンになるじゃないですか。やっぱり、プロセスに関与できるとファンになるし、かつ、寛容になれるなと思っていて。関与すると寛容になれるっつって。ダジャレになっちゃったんですけど。笑

――(編集部)色々なことに積極的に関わっていきたいということですね。

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岡本:そうですね。自分は、関与すると寛容になれることがすごく重要だなと思っています。プロセスに参加していないと、完璧なことばかり求めて、減点主義になっちゃうじゃないですか。例えば、行政の人も少ないリソースで頑張っているのに、国や市は何にもやってくれないとか、不満に思ってしまうこともあると思うんです。でも、そこで実際に働いている人のことを知り、関わりが少しでも生まれると、結果が90点でも80点でも、もしかしたら20点でも満足できるようになるのではないかなと思って。

――(編集部)たしかに、プロセスに関わっていないと、知らないことに対して評価が冷たくなってしまいがちかもしれませんね。

岡本:ですから、できるだけ関与できる人、プロセスに参画できる人を増やしていきたいと思っています。そうすれば、100点満点じゃなくても、50点でも30点でもね、満足できる社会になる。僕は今、サステナビリティをテーマにフリーランスとして活動していますが、そのこと自体が一つのサスタナビティになるのではと思っているんです。100点をずっと維持するのは大変だけど、50点を維持することはできそうな気もするし。

――(編集部)そうした想いで活動を続けていたことが、こすぎの大学が武蔵小杉を代表するコミュニティにまで成長した理由かもしれませんね。これからの活動への想いも明確で共感しました。

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岡本:運が良いんです。でも、みんなもそういう運は持っているはず。僕は積極的に「ありがとう」を言うように心がけています。感謝の気持ちを持つように。それも、意識し始めると「めっちゃいいことあんな!」みたいになって。笑 そんな感じで、人に感謝することが自分に返ってくるんですね。

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